東京電力との話し合い

東京電力との話し合いの速報をお知らせします。詳細については後日お知らせします。

 

2012年2月16日午後1時から2時まで、木更津市民会館会議室で私たちと東電との話し合いを持ちました。当初15名くらいの参加を見込んでいましたが、会場に入りきれないほどの35名の参加者があり、この問題についての市民の関心や危機感の強さが現れていました。

東電の出席者は渡辺木更津支社副支社長、小林総務部総務課長、他社員1名でした。

 

こちらからの要請書(別紙)を事前に届けてあり、その回答を求めました。話し合いのときにマスコミ数社が取材に来ましたが、東電はマスコミに対して会場への立ち入りを禁止しました。また私たちの録音、録画を許可して欲しいとの要請も拒否されました。

 

以下、要請書に対する回答ですが、文書で回答を求めたことに対して渡辺氏は口頭で文書を読み上げました。

 

以下要請事項とその回答です。

 

1 今回の事故で放射性物質を放出したことによって影響を受けた自治体、市民に謝意を示し、事故前の原状復帰に最大限の努力をすること。

回答

 今回の事故について市民の皆様に多大の迷惑をかけたことを深くお詫びするととともに今後の対応について誠意をつくしてまいります。

 除洗については1月1日より施行となった放射性物質汚染対処特措法(以下特措法)の枠組みの中で対応していきます。

 

2 自治体及び市民が行なっている放射能汚染物質の計測及び除去に関する費用を全額支払うこと。

回答

 原子力損害賠償紛争審査会の中で取り扱いが定まってから対応したい。現状では測定の費用や個人が測定にかかった費用などは定められていない。

 

3 放射性物質に対して市民から不安が多く寄せられている。市民の不安を取り除くためのあらゆる施策を提案し、経営陣社員一丸となって、対応すること。手始めとして、当会主催による住民説明会に出席し説明を行うこと。

回答

 当社は措置法にあるとおり誠意を持って必要な措置を取っている。住民説明会については多くの要望がある中で現時点ではむつかしい。

 

4 株式会社かずさクリーンシステムから出る放射性物質を含んだ焼却灰・飛灰は貴社が放射性物質を処分するときに行っているコンクリート固化を行い、責任をもって保管処理すること。

回答

 廃棄物については特措法に従い処分を行っている。当社敷地内に置くことは法令、周辺自治体や住民の同意、用地の確保などの問題があってむつかしい。

 

5 人災であることが明確になった現在、東電は、原子力賠償法における第三条の但し書きには、該当しないことを認識し、無過失責任および無限の賠償責任を真摯に受け止め、責任を取ること。

回答

 最大の地震、大津波で第3条の第1項に該当するとの解釈もあるが、事故の当事者であることを真摯に受け止め支援機構の枠組みの中で公正かつ迅速に賠償していきたい。

 

6.原発停止に伴う火力発電所稼動による燃料費増は、電気料金に転嫁するのではなく、本来料金に内包してはならない企業内コスト(福利厚生施設費、広告費、政党献金、各種補助金など)の削減をもって補うこと。更に不足する場合には現在及び過去の役員の給与及び退職金から賄うこと。

回答

 役員の給与、福利厚生施設や社有地の処分、経費の削除などを行っているが燃料費が増大しているのでご理解いただきたい。

 

以上の回答の後、参加者からの質疑応答がありました。主な点をあげます。

 

Q 木更津支社として担当区内の住民に対し、支社としてできることは何かというような会議は、当然持たれたと思うがどうか・・

A 「特に持たれてはいない」

 

Q 支社として地区内のお客に何らかの気持を表す取り組みをする気はないのか

A 「上部と協議してお答えする」

 

  文書で回答いただかないと正確に他の人に伝えられない。マスコミへも内容を伝えたい。文書で回答して欲しい

A 「今回の回答で理解いただきたい」

 *さらに強く求めると「持ち帰って検討して返事をする」

 

Q 放射能測定器などを支社で購入して市民に貸し出したり、測定したりする考えはあるか。放射能測定器だけでなく支社として取り組む対策はないか。

A 「そのような考えはない」」

 *さらに強く求めると「持ち帰って検討して返事をする」

 

Q 本日の話し合いは要請事項6項目のうち主に3番の1項目だけで終わってしまった。話し合いの継続として2週間後をめどに3月1日前後で話し合いを持ちたい

A 「そのような方向で考えていきます。後日連絡します」

 

Q 今回の話し合いには当事者能力のある責任者を出して欲しいとお願いしてあったが、今日の話し合いは単なるメッセンジャーであってなにも話し合いになっていない。次回は当事者能力のある人に出席して欲しい。

A 「検討します」

 

 こんな調子の答弁が延々と続く。

対応はすべて法律の枠組みの中で行う。

支社としての独自の判断や行動は全くない。

すべて持ち帰って協議し、後日報告する。

当事者能力が全くない。

言葉では誠意を示すと言っているが実際には何も誠意がない対応である。

 

このようなことがはっきりとした話し合いでした。

 

次回はこの続きを3月上旬に開けるよう東電に働きかけます。次回も大勢の参加をお願いします。

 

 

下記は東電に出した要請書です。

放射性物質の回収と安全確保、被害補償を求める要請書                                                                                          

         

                   2012年2月16日

東京電力株式会社様

                                             放射性物質から生命(いのち)を守る市民の会

                             代表   山田 周治

 

福島原発事故によってまき散らされた放射性物質によって私たちは日々健康を脅かされ不安を抱いております。

私たちは子々孫々にわたり放射能による恐怖を抱えることになりました。

この恐怖や健康被害から身を守るために以下の事項を要請いたします。

 

以上の回答を文書により3月1日までにお願いします。

 

文書送付先

      299-1106 千葉県君津市中島2308 佐々木悠二   0439-32-2197

 

要請事項

1 今回の事故で放射性物質を放出したことによって影響を受けた自治体、市民に謝意を示し、事故前の原状復帰に最大限の努力をすること。

2 自治体及び市民が行なっている放射能汚染物質の計測及び除去に関する費用を全額支払うこと。

3 放射性物質に対して市民から不安が多く寄せられている。市民の不安を取り除くためのあらゆる施策を提案し、経営陣社員一丸となって、対応すること。手始めとして、当会主催による住民説明会に出席し説明を行うこと。

4 株式会社かずさクリーンシステムから出る放射性物質を含んだ焼却灰・飛灰は貴社が放射性物質を処分するときに行っているコンクリート固化を行い、責任をもって保管処理すること。

5 人災であることが明確になった現在、東電は、原子力賠償法における第三条の但し書きには、該当しないことを認識し、無過失責任および無限の賠償責任を真摯に受け止め、責任を取ること。

6.原発停止に伴う火力発電所稼動による燃料費増は、電気料金に転嫁するのではなく、本来料金に内包してはならない企業内コスト(福利厚生施設費、広告費、政党献金、各種補助金など)の削減をもって補うこと。更に不足する場合には現在及び過去の役員の給与及び退職金から賄うこと。

 

 

大平興産との話し合い

東電との話し合いの後午後3時15分から4時半まで、富津市関の処分場を見下ろせる作業所で30名の参加で行いました。大平興産山上社長と技術部長の森さんが対応しました。事前に要請書を送ってありましたがまだ文書で回答する時間がなく、回答期限の3月1日までに文書で回答するとのことでした。

毎日新聞の記者が会場で取材しました。録音は拒否されませんでした。

意見交換の中で出てきた主な点を書きます。

 

最初に山上社長から挨拶があり次のような全般的な話がありました。

@       不安をもつ市民の皆さんと率直に話し合うことは有意義だし、避けて通るようなことはしない。

A     企業理念として、市民や関係者に迷惑をかけるようなことはしないし、何かあった時にはその責任を取るつもりでいる。問題はそのような状況を作らないことだ。

B       下水汚泥や焼却灰を受け入れないと都会の生活ができなくなる。皆さんのためにも受け入れているのです。

C     経営的に放射性物質を受け入れなくても困ることはないが、今までの契約者との経過があり受け入れを要請されたら断れない。

D      要望された事項のうち、言葉で言えるものと、正確に検討の上文書にして回答した方がよいと思われるものがある。そのような件については文書できちんと回答したい。

 

次にこちらからの具体的な要請、質問項目については森技術部長から次のような説明がありました。

 

要請事項

1.原発事故の3月11日以後、現在までに入っているすべての放射性物質の排出元別の放射能の値と搬入量、およびその放射能の全量を公表すること。

3.貴社の得た処分場の設置許可は、放射性物質は搬入しないことが前提です。放射性物質を搬入してもなぜ安全だと言えるのか、その根拠を示すこと。

4.放射性物質を受け入れることに対して市民から恐怖や不安が多く寄せられているので、そのことについて当会主催による住民説明会に出席し説明を行うこと。

5.処分場への放射性物質(放射能濃度100ベクレル/s以上を持った物質)の搬入をただちに中止すること。

回答

これについては後日文書で回答します。

 

質問事項

1.今まで、放射性物質が混じったがれき類は搬入したことがありますか。

回答

がれき類は千葉県内のものであり測定したが放射能は検出されていない。

 

2.放射性物質は雨水や地下水、侵出水と接触しない構造にしていますか。

回答

雨水は浸透していないとは言えない。

 

3.放射性物質を搬入したとき、どのような方法で積み置きしていますか。

回答

積み置きはしていない。必ず覆土をしている。

 

4.運転手や従業員の安全性はどのように確保されていますか。

回答

作業員には線量計を渡してある。1m離れていて0.5μSvを超えることはない。

 

5.自主管理規定は何のために作ったものですか。その際県の指導はどのようなものでしたか。

 

6.放射能を帯びた放流水が処分場から出た場合は、どのような対策を取るのか、その対策方法を教えていただきたい。

回答

ゼオライトを10トン用意してあり放射性物質が流れ出したらそれで吸着する。

 

7.今後200年の間に放射性物質が地下も含め処分場外に出た場合の法的な責任は、賠償も含め、金銭的な対価を受けた貴社にあると思われます。その認識はありますか。

8.今後200年の間に、万一処分場から放射性物質が出た場合は、完全にそれを除去する方法とその体制はどのようになっていますか。

9.@今後200年間にわたって、放射性物質が地下も含め処分場外に出ることは絶対にないと言えますか。

A遮水シートは200年間破れないことを証明できますか。

B200年間、豪雨、地震等により処分場が崩壊しないことを証明できますか。

回答

放射能という未知の分野に取り組んでいることになる。ひとつの企業が未来永劫続くとは考えられないわけで、処分場を閉鎖した後の管理を30年〜50年を一つのめどとして考えてきた。セシウムの毒性が消えるまで200年の年月がかかるとなれば、今一度立ち止まって考えてみなければならない。

 

10.今後200年間、市民の安全を守るためには、上記7〜10までを資金的、体制的に保証する必要がありますが、どのような資金計画、体制を立てていますか。

回答

被害が出た場合保険会社に入っているので保険会社が認定すれば補償します。

 

11. 100Bqkg以上は放射性物質として厳重に管理された施設で処理されなければならないとされています。国が8,000Bqまでは埋めて良い、としたようですが、なぜ8,000Bqまでは安全かその根拠は示していません。 貴社としても、8,000Bqまでは埋め立てても安全性は保てる、と考えますか?処分場外に出た場合100Bqkg以上の放射性物質が安全であるという科学的根拠は何ですか。

 

回答

8000ベクレル以下が安心だという基準の根拠を調べたが、その論拠を明示したものはない。だから8000ベクレル以下が安心だとは思っていない。

 

次いで大平興産が2月末で溶融飛灰の受け入れを中止したことについての質問に対して

回答

今年11日施行になった特措法のガイドラインによると煤塵(焼却飛灰)については雨水がかからないようにするとあるがどの程度かは非常にあいまいだ。

煤塵に雨水がかからないこと、などの文言があり現施設では対応しきれないので、その施設を新たに作るかどうかの検討も含め、当面は煤塵の受け入れを中止させてもらった。

 

 

新井総合と大平興産が焼却飛灰(煤塵)の受け入れ停止を表明

 

本年1月1日施行の「汚染への対処に関する特別措置法」に基づくガイドラインにより溶融飛灰を含む煤塵の処分方法が示されました。これを受けて新井総合と大平興産は、ガイドラインの方法では対応できないことから受け入れを停止すると表明しました。

 

KCSでは緊急避難措置として2月末からKCS施設内での仮置きを行います。仮置きはフレコンパック(大型土嚢)に入れて保管をします。当面2年間分のスペースは確保できます。

 

上記のことより、煤塵の搬入は当面ストップしましたが、放射能汚泥は引き続いて搬入されています。

 

命を守る市民の会では引き続き水源地への搬入中止を求めるとともに、東電にはKCS施設内に保管する飛灰の引き取りを要求していきたいと思います。

 

 

 

以下は大平興産に提出した要請書です。

 

放射能汚染物質を水源地に搬入することに対する要請書

                                                         2012年2月16日

大平興産株式会社様

                                             放射性物質から生命(いのち)を守る市民の会

                            代表    山田 周治

 

 現在湊川上流の富津市関にある貴社の一般廃棄物処分場に放射能で汚染された下水汚泥やゴミの焼却灰などの放射性物質(放射能濃度100ベクレル/s以上を持った物質)が大量に搬入されています。

国は放射性廃棄物の基準を100ベクレル/sとしていて、それを超えるものは厳重に管理された施設に保管すべき、と定めております。

湊川の水は富津市の農業用水、生活用水の水源です。

放射性物質はどんなことをしてもその毒性を無くすことができない究極の毒物です。

貴社の商行為によって、私たちは子々孫々にわたり放射能による恐怖を抱えることになりました。貴社には私たちの不安や要望、疑問に対してきちんと説明する責任があります。

以下、質問事項並びに要望事項を申し入れますので、お手数ですが回答は文書にて3月1日までに下記まで送付下さい。

 

文書送付先

    299-1106 千葉県君津市中島2308  佐々木悠二  0439-32-2197

 

*参考までに昨年9月20日に日本弁護士連合会会長の出した声明を添えます。

 

要請事項

1.原発事故の3月11日以後、現在までに入っているすべての放射性物質の排出元別の放射能の値と搬入量、およびその放射能の全量を公表すること。

3.貴社の得た処分場の設置許可は、放射性物質は搬入しないことが前提です。放射性物質を搬入してもなぜ安全だと言えるのか、その根拠を示すこと。

4.放射性物質を受け入れることに対して市民から恐怖や不安が多く寄せられているので、そのことについて当会主催による住民説明会に出席し説明を行うこと。

5.処分場への放射性物質(放射能濃度100ベクレル/s以上を持った物質)の搬入をただちに中止すること。

 

質問事項

1.今まで、放射性物質が混じったがれき類は搬入したことがありますか。

2.放射性物質は雨水や地下水、侵出水と接触しない構造にしていますか。

3.放射性物質を搬入したとき、どのような方法で積み置きしていますか。

4.運転手や従業員の安全性はどのように確保されていますか。

5.自主管理規定は何のために作ったものですか。その際県の指導はどのようなものでしたか。

6.放射能を帯びた放流水が処分場から出た場合は、どのような対策を取るのか、その対策方法を教えていただきたい。

7.今後200年の間に放射性物質が地下も含め処分場外に出た場合の法的な責任は、賠償も含め、金銭的な対価を受けた貴社にあると思われます。その認識はありますか。

8.今後200年の間に、万一処分場から放射性物質が出た場合は、完全にそれを除去する方法とその体制はどのようになっていますか。

9.@今後200年間にわたって、放射性物質が地下も含め処分場外に出ることは絶対にないと言えますか。

A遮水シートは200年間破れないことを証明できますか。

B200年間、豪雨、地震等により処分場が崩壊しないことを証明できますか。

10.今後200年間、市民の安全を守るためには、上記7〜10までを資金的、体制的に保証する必要がありますが、どのような資金計画、体制を立てていますか。

11. 100Bqkg以上は放射性物質として厳重に管理された施設で処理されなければならないとされています。国が8,000Bqまでは埋めて良い、としたようですが、なぜ8,000Bqまでは安全かその根拠は示していません。 貴社としても、8,000Bqまでは埋め立てても安全性は保てる、と考えますか?処分場外に出た場合100Bqkg以上の放射性物質が安全であるという科学的根拠は何ですか。

 

 

 

 

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